少女終末旅行感想

ネタバレ含みます 最終巻まで読めたので以下個人的感想書きました~


▽少女

生きるのは最高だったよね、好きすぎて2回言いました もうなんか…………もう……この子達は純粋すぎてまぶしいな…って思って こんなボロボロの世界で何もかも無くして、 大好きだった本も、日記も、ケッペンクラートも、食料や水や燃料に至るまで、すこしずつ手放して、全部全部無くして、それでも光を求めて旅をしてきたはずで きっとこの先に何かあるんだって信じて進んできたはずなのに、結局塔のいちばん上まで登っても「何もなかった」わけで……そこにはただの殺風景な天井と雪しかなくて彼女たちの長い旅を美しく結ぶにはあまりにも不足だったし、結局、月に行くっていうゴールもなくなってしまったわけで……それでも「生きるのは最高だったよね」って言えてしまうユー と安心したように頷くチト~……かっ 関係性~…(シンドゥイ)

▽終末

ながくながく連綿と繋がって続いてきた人間の歴史の一端として、そのわずかな頼りないつなぎ目として、ただ暮らし、少しずつ歳をとって、やがて死んでいくことが、そういう営みが、虚しくて無意味なことかもしれないけど、「意味なんかなくても何にも分かんなくても、それでも生きてればいいじゃんか」って言ってくれてるみたいな、限りなくやさしい作品だったな… (そういえば、私たちの存在や悩みがちっぽけなものであること、本でも開いて人間の歴史を俯瞰すればわかりますよね。海に行って叫んだりしなくても)


▽旅行

ふたりがあの揺蕩うような生ぬるい虚無の中で何を思っていたのか私にはわからないけど、それでもふたりが決して絶望せずに旅を続けてくれたこと、ほんとうによかったなぁと、ありがとう…の気持ちでいっぱいです

それにくらべて(いい物語に出会ったときの常套句である)
何もかもきっとあるのに 確かにあるのに 「私たちには何もない」って嘆いている私達は何なんだろう?何が悲しくてもう死んでしまいたいと思うんだろう?私達だってただ生きて ご飯を食べて 寝て 歩いて 疲れてまた眠る 大切な誰かの体温 それだけがただ嬉しかった頃があったはずなのに いつの間にかどうしようもなくなっちゃってて 本当は確かに「生きるのは最高だった」はずなのになぁ…って、終末を読むと何だか不思議に懐かしいような気がするんだけどさ もしかしたらそういう純な気持ちを思い出すからかもしれないね~ そんなことを思いました:-)